こんにちは!タノム・PRチームです。
当社では、「卸業者の仕事をシンプルに」をコンセプトに開発した受発注システム「TANOMU(タノム)」を提供しています。
今回は70年以上に渡って愛知県に根ざし、コーヒーを始めとする業務用食材卸売を展開してきたワルツ株式会社様の活用事例をご紹介します。
執行役員 商品部 部長 草田知浩さん(写真右)と、商品部 DX推進担当・受注センター マネージャー 井上晃志さん(写真左)のお二人にお話を伺いました。
🙌TANOMUを導入してよかったこと🙌
😆SaaSだからこそ、様々な卸会社の意見を取り入れた機能アップデートがある
😆カタログを使った販促で、営業個人の力に依存せず商品を紹介できる
😆受注業務、展示会業務でかかっていた時間を大幅に削減できた
私たちは長年の間、「お客様の元に訪問する」というスタイルでご注文をいただいてきました。以前は紙とペンで注文をメモして持ち帰り、最近ではkintoneで作った「オーダーブック」というシステムを使いながら、営業が訪問して「オーダーブック」に商品情報や数量を入力するという形で管理をしていました。ただ、結局のところ「オーダーブック」を操作するのはワルツ社員で、お客様が直接入力してくださるわけではないため、業務効率化できているのは一部分だけ。また、昔は訪問すれば注文をいただけましたが、今は時代や状況が変わり、お伺いしてもなかなか次の注文をいただくのが難しくなっています。
やはり「お客様に直接使っていただけるものが一番」と考え、ウェブ受注に切り替える必要があるだろうと社内で検討し、受発注システムの自社開発に着手し始めたのです。受発注だけじゃなく、「おすすめ商品」なども表示して、営業しなくても商品が売れるようなシステムを作れないかーーそんな想いでシステム会社と協議しながらデモ画面の開発なども進み、完成直近の頃に出会ったのが、TANOMUでした。
業務用食材卸売のリーディングカンパニーである、株式会社久世*さんの展示会に参加した際に、久世さんを通じてTANOMUをご紹介いただいたのがきっかけでした。「営業が訪問しなくても、カタログに商品を載せたり、チラシやメッセージ配信をすることで商品が売れる」という話を聞き、まさに自分たちが開発中のシステムで実現したいと思っていたことそのもの!という内容でした。
例えば訳あり商品を売りたい時に、営業が注文を取りに行くスタイルだと、個人の判断で必要以上に安く販売してしまうという課題もありましたが、TANOMUに掲載しておけば、お客様が価格に納得すれば発注してくださるので、個別交渉の煩雑さや社員間でのバラつきもなくなります。また、営業社員が育つまでには2〜3年はかかりますが、その間もTANOMUを使って定期的にメッセージを発信すれば、営業力不足もカバーできる。業務効率化だけでなく、スピード感を持って売上にもつながる点にも、非常に魅力を感じました。
また自社開発の場合は、時代の変化やお客様のニーズに合わせて、自分たちで定期的な機能アップデートの必要があります。TANOMUの場合は、同業他社さんが多数ご利用されているので、私たちからの要望以外でも機能がどんどん拡充されていき、使い勝手も日々良くなっていく。機能面だけでなく、そうしたメンテナンス性や、何より久世さんも使っているという点が後押しとなり、自社開発は既に走っていて開発費用もしっかり払いましたが、開発は中断してTANOMUを利用することに決めました。これが2022年1月頃のことですが、あれから約2年が経った今も、切り替えて正解だったと思っています。
*株式会社久世とは
・創業90年の歴史を持つ、業務用食材卸売のリーディングカンパニー。
・2001年9月に東証スタンダード市場上場。
・売上高:564億円(2023年3月期)
・企業公式HP: https://www.kuze.co.jp/
・TANOMUインタビュー記事: https://lp.tano.mu/cases/2022-09-08-kuze
実際にTANOMUをお客様にご案内し始めると、既存のお客様の半数近くはスムーズにご利用を開始してくださいました。特に若手のオーナー様は全く抵抗なく、「こっちの方が確実にいいよね」といった反応でした。一方で、40年以上お付き合いのあるようなお客様だと、スマホやパソコンの操作が苦手だったり、長年訪問してご注文を受けるスタイルで関係性を築いてきたので「もう来てくれなくなるの?」というご意見もいただきました。このようにどうしても移行が難しいお客様にはTANOMUの「代理発注」という機能を使い、営業担当が注文を聞いて、代わりに発注を入れるという運用にしています。
直接お客様にTANOMUのご利用方法をご案内するのは一人ひとりの営業担当なので、私たち商品部のチームでは勉強会などを開いて「TANOMUを利用するメリット」を発信しつつ、お客様との信頼関係を築きながら地道にご案内を継続しています。最初は豊橋の本社で導入を始め、ある程度軌道に乗ってきた2023年以降は、名古屋、岡崎にある別拠点でも利用を開始しました。各拠点の営業担当も含め、TANOMUの使い方を社内で浸透させるにあたっては、「展示会でTANOMUを利用する」という工夫が一役買っています。社員がお客様の注文を会場で受け付けて、TANOMUの説明もしつつ代理発注を自ら行うことで、操作感に慣れてもらっています。現在は外食系取引先の85%で、TANOMUでの発注に切替が完了しています。
当社では、訪問受注と並んで大きく人員を割いている業務がもう一つあり、それが「電話受注」です。過去20〜30年の間、3拠点それぞれで電話担当を3名配置し、1人あたり1日20件、合計180件のお客様に毎日電話をかけて次回のご注文をお伺いしていました。お客様がお忙しいと1回ではお電話が繋がらないことも多いので、かなりの時間を割いていた業務です。
2023年4月からは、これらの電話受注のお客様もTANOMUから発注していただくようにご案内し、デジタル受注に切り替えたことで、電話対応業務全体の15%を削減することができました。今まで電話受注を担当していたメンバーは、「受注センター」として新しいポジションについてもらい、TANOMUのマスタ更新や受注データの管理などの業務を任せています。TANOMUを導入して大きく成果、変化が出た部分だと思います。
受注センターの様子
より受注業務の効率化を進めていくために、今後はFTP連携を使って受注データを自動的に基幹システムに入れられるよう、TANOMUで受注した後の細かい運用フローの整備を進めています。今は、TANOMUに入ってきた注文の備考欄に記入がある場合は受注センターが個別に確認したり、お客様から商品の追加や変更依頼がある場合は電話で受け付けたり、という対応が残っているので、これらも別の対応方法に移行する形で調整をしています。
受注データの取り込みまで自動化できれば、その後工程である物流部門でのピッキング作業もより早く開始できるので、会社全体での業務効率化につながります。約半年後を目処に実用化していきたいと思っています。
また受注センターでは、TANOMUのカタログ機能を使った販促活動も担当しています。最近では「冷凍ケーキ」のカタログを作って掲載したところ、今までケーキは注文されたことがなかったお客様からも注文が入ったりと、少しずつ反応をいただけるようになりました。今までは季節ごとに紙の商品カタログやチラシを作って営業担当に配るように依頼しても、本当に見てもらうべきお客様のもとに届いているのか、見ていただけているのかが分かりづらかった面がありました。でもTANOMUに登録しているお客様であれば、画面上で確実に見ていただけますし、ご興味を持っていただければ注文にも繋がるので、反響も分かりやすいです。営業担当が紹介していなかった商品でも、TANOMUに載っていれば意外に試していただけたり、気に入っていただければリピートにつながったりするのは、とても大きなメリットだと考えています。
営業は営業にしかできないことに注力しつつ、受注センターではTANOMUの販促機能を使うことで、個人の提案力や交渉力に依存しない形で商品のご案内ができるというのは、売上・利益を確保していくためにも重要です。いつでもTANOMUでお客様から商品が見えるようにして、かつ飽きが来ないように更新していく体制を作っていければと考えています。
当社では定期的に展示会を開催して、サンプルの受注や、季節商品の先行受注を承っています。2023年4月からは、その受注会場でもTANOMUを活用しています。
展示会では、数百から1000件を超えるようなご注文をいただきます。今までは、会場で手書きでサンプル受注や先行受注の受付をして、展示会が終了したら集計して、手作業で伝票を入力して、データを整えて…という作業があり、ようやく各メーカーさんに情報を提供できるのが展示会終了の10日後。お客様にサンプルをお届けするまで、長らくお待ちいただいている状態でした。その他の後処理も含めると、展示会関連の業務が完了するまで、2週間はかかっていたと思います。
この業務も効率化していくために、試しにTANOMUを使ってみたらどうだろう?と考えて、「拠点」と「代理発注」という機能を使って受注を管理する仕組みを作りました。
ワルツ社員だけでなく、出展いただいてる各メーカーさんにもワルツの受注管理画面にログインできるアカウントを発行し、代理発注の操作もしていただいてるのがポイントです。
直近だと、2023年8月にクリスマス向けのオーナメント商品を販売する展示会を開催したのですが、その際は1,100件を超えるご注文をいただきました。今までは2週間かかっていた展示会業務は、TANOMUでの代理発注の活用により、2日で完了できました。手入力で運用していた時に比べ、入力ミスなどによるエラー率も半減できたので、今後もこのTANOMUを使った展示会受注を継続していく予定です。
また、展示会の会場では、新規のお客様に向けてTANOMUのお試し利用もしていただいています。発注ができないように設定したゲストアカウントを用意して、IDとパスワードを記載したチラシを配り、「ご自身のスマートフォンの画面でカタログ商品を見る」という体験をしていただくのです。
スマートフォンから簡単に発注できるというTANOMUの利便性を知っていただきつつ、自社で取り扱っている色々な商品も合わせて見ていただけるので、良い宣伝の機会になっています。
TANOMUお試しログイン用のチラシ
今までの販促業務は、各メーカーさんを交えて行う販売戦略の場合は本社が全拠点分をまとめて管轄し、季節ごとの商品カタログ、チラシなどは各拠点ごとに準備をする、という体制で運用していました。ただ、どちらも紙媒体の販促物が中心だったため、各拠点の営業担当が本当にお客様に渡しているのか、お客様が実際に見てくださったのか、販促物の効果で売れたのかが分からない、というジレンマがありました。
でも、TANOMUを使って販促をデジタル化することで、どのカタログやチラシを経由して購入されたか分かるようになり、施策に対するPDCAが回しやすくなりました。飽きられないようにカタログを更新していけば常にお客様も気にしていただけますし、お客様の声も反映していける。販促に関するPDCAを本社とお客様の間で完結できるようになったので、一括して季節商材や新商品の販促などの役割も本社で担うように変更し、拠点ごとに発生していた販促のための時間も集約・削減できるようになりました。TANOMUを使い始めたことで、色々な道が開けていると感じています。
本社で制作中の2024年春の展示会用カタログ案。TANOMUのカタログにも同じ商品を掲載する
まだ使いこなせていない機能、要望を伝えて開発を検討してもらっている機能などもありますが、他の受発注システムと比べても、TANOMUは受注側目線での機能を常に考えてくれているので痒いところに手が届き、とても助かっています。これからもさらに新しい機能を試しながら、活用の幅を広げていきたいと思います。
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